さる6月29日、通常国会が最終日を迎え6年間の仕事を終えて、深い感慨とともに帰秋した。週に2回も3回も通っているはずなのに、緑がやけに目に沁み、雄物川の向こうの夕日に心動かされた。山があって、川があって、たんぼの向こうに日がおちる・・ごく当たり前の風景だけれど、予想もしないことがあり、辛いと思うこともあった私の6年を支えてくれたのは確かにこの秋田の風景だ。
「ふるさとの人と土が好きだから」の一心で初当選させて頂いてから6年。
子供の頃に夢見た21世紀を、私たちは今、現実として迎えている。
世界一の長寿国をつくってこられた先人の成果、これをもっと確実なものとして、
私たちの宝である子供達が、この国とこの地域で、夢と未来と選択の自由をもち、幸せに、堂々と、生きていくことのできる状況をつくることこそが政治家の仕事だと思う。
やがて大人となって「おやじ、おふくろありがとう」「ここに生まれてよかった」と、お年寄りを大切にするやさしい人間に育つよう、あたたかい古里をつくらねばならない。
小泉内閣は、我が国の内閣機能の強化にふさわしい、地代の要請ともいうべき、リーダーシップをもち、改革の志と、みなぎる決意が多くの国民の期待と共感を得ている。私も小泉総理とともに、「おそれず、ひるまず、とらわれず」、新世紀維新の志をもつ一人の政治家として、時代の閉塞状況を打ち破り、一身を捧げたい。
私のやるべきことを少し整理してみた。
まず第一に、景気の回復に全力を尽くすこと。予算や金融面を含め中小企業対策・雇用対策を万全にしながら、不良債権の処理などの「過去の清算」と、ITや医療・バイオ技術などの新しい市場を生み出す「未来への挑戦」、その両面からの構造改革によって経済再生を実現。その際、県内の研究機関の持っている可能性を存分に生かすよう、皆さんと共に知恵を出し合っていきたいと思う。
二つ目に、女性と高齢者のエネルギーを社会に生かすべく、仕事と子育ての両立支援を充実させるとともに、就業環境の整備、住宅や街のバリアフリー化を進め、元気で明るいみんなが生き生きと暮らせる社会の創造。
また年金・医療・介護などの社会保障については、持続可能で安心できる制度の再構築に懸命に努力する。
三つ目には、我が県の基幹産業である農林業について。
私が政務次官をしていた昨年の春、食糧自給率を10年後に45%に引き上げるという計画を作った。欧米諸国のほとんどが自給率100%を達成していることを考えるとき、農業を大きな国策として守り振興して行くという視点の必要性を痛切に感じている。活力ある農山漁村づくりとともに、都市住民も含めた国民全体で、「農林業は日本人の財産であり心であり哲学であり、国のおおもとである」という一致した認識をつくるように運動を展開。
最後に、「国家百年の大計」である教育の問題。21世紀の日本は豊かな個性と創造性をもつ「人材大国」を目指さねばならない。心身とともに健康な人づくり。スポーツと文化活動の振興に特に力を入れたい。
夏には、ワールドゲームズ秋田大会が開催される。
世界各国から選手団を迎えてのスポーツの祭典を、是非みんなで力を合わせて成功させたい。
平成19年には秋田国体もあり、これらはきっと我が秋田の自信と誇りにつながるはずである。
親から子へ、子から孫へ受け継がれてきた伝統や技、懐かしい味、
そしてふるさとを慈しむ暖かい心。
どんなに技術が進歩しても、映像には残せないふるさとの原風景を大切に大切に、「国のかたち」の心として次の世代の子供達に引き継いで行かなければならない。
「元気な日本を郷土から」をモットーに、私は、一瞬一瞬に命をかけて、与えられた使命を果たしていきたい。
夕やみ迫るころ、自宅のご近所のみなさんの温かい出迎えを受けながら、強く心に決めた。
2001年、七夕の日に
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