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3月、年度末の予算審議や法案処理に加えて、私は予想外に重い課題を抱えていた。 昨年秋に、党の少子化問題小委員長を拝命したのだが、同小委員会では、「子育て家庭支援を世代継続のための国家戦略と位置付け、子供の幸せを第一に考えて地域全体で子育てを支援する」との提案をまとめており、厚生労働省が策定した「少子化対策プランワン」と併せて提言を実行に移す重要な局面を迎えている。 提言された標記の法案は、保育サービスの充実といった従来の取り組みに加え、「男性を含めた働き方の見直し」「地域における子育て支援」「社会保障における次世代支援」「次世代の親づくり」などの概念を再認識し、自治体や企業の集中的・計画的取り組みを促進するためのもの。 子供は社会の宝であり、子育ては大人が成長する貴重な機会でもある。皆それが分かっていながら、平成13年には、出生数は約117万人、合計特殊出生率は1.33となり、いずれも過去最低を記録。社会情勢の変化に現実の社会システムが追いついていない典型だ。 実は、個人的には皆さん一致で即進められるものだと思っていたのだが、そこはやはり様々な意見があり、子育てに対する根本的な哲学論も含めて大議論であった。結果、難産ではあったが党内手続きとして法案の提出は承認され、「教育論、家族論、国家論も含めた大所高所からの長期的議論」をする場として「少子化問題調査会」を設置、我が小委員会は「今、そこにある問題」に対応し「子供をもちたい人が生み育てやすい環境を整える施策」をとらえる「子育て支援小委員会」となった。 国会での法案審議はもちろんのこと、今後の具体的計画策定に向けてなお中身の濃い議論を続けていきたいと思っているが、実はやはり国民生活にもっとも密着した住民サービスといえる部分でもあり、現場の対応は国レベルよりずっと進んでいて、我が秋田県内の各市町村も思い切った対策をどんどん打ち出している。ともすれば机上の論になりがちな国と、常にその場に居合わせる地方自治体とのずれが結構如実だったり、秋田などでは 「若者定住」・「雇用の場の確保」など経済的側面の対策が求められるなど地域によって”求められるもの”に違いがあったり、とても深くて難しい問題を含んでいる。 強力な支持団体があるわけでもなし、国会内には子育て世代は極端に少ない。議員の仲間を強く引き付けるのはやはり難儀する。しかし、よく言われるような年金や医療の支え手としての子供ではなく、「国のかたち」「社会のあり方」として大人と子供、男性と女性の 「個人・家族としての幸せの追求」という意味において、少子化の流 れは必ず変えなければいけないと思っている。 子供のいない路地裏は、田んぼの荒れた集落と同じくあまりにも寂しい。 2003年3月31日
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