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美しい日本の情を描いた「つるの恩返し」。昨今、毎朝のようにあまりにも残忍な事件が報道され暗たんたる気持ちになるが、我々日本人がどこかに忘れた感覚のひとつ、それが「恩」だろう。 先日参議院本会議において、ツルネン マルティ議員が質問に立った。彼はフィンランドで生まれ育ち、日本に住んで35年、帰化して14年。昨年1月民主党から繰り上げ当選で参議院議員になった人だ。 最近では珍しくなくなったが、アメリカやブラジルに渡った日系人が苦労を重ね、その社会に貢献し政治の舞台でも活躍されている姿と二重写しになり、外国で生まれ育ち帰化した日本人が日本の国会で堂々と持論を述べる姿に、何とも言えない感動を覚えた。 彼は壇上で「日本社会への奉仕は私にとって言わばツルの恩返し」と述べた。議題は「成田国際空港株式会社法案」であったが、党として賛成の立場とは別に自分の意見として「懸念」を表明した。極めて日本人的な「恩」という言葉を思い出させてくれたと同時に、「個人として明確な意思表示」という日本人にはなかなか難しいこともさらっとやられてしまった。 私はツルネン議員とは党派も違うし、廊下ですれ違ったときに挨拶を交わす程度で特段親しいわけではないから、こういうところに引用するのも気が引ける。しかし、国のありようとして、良い形で「多様性」を求めることや、日本人が忘れかけた大切なものをもう一度見つめる こと… 「治安の悪化と検挙率の低下」などという資料に目を通しながら、我々一人ひとりに「足元を見直そうよ」さわやかに語りかけられた気がしてついつい書いてしまった。 平成15年6月24日
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