かつとしコラム

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◆夏の終わりに… 三題

前回コラムを書いてから半年以上が経ってしまった。その間、通常国会と参議院選挙と・・あまりにもたくさんのことがありすぎて随分長かったように感じる。この度は忙しすぎたから書けなかったと言うよりはむしろ、その時々の出来事の重大性に自分の考えをまとめることが出来ず、逡巡しているうちに時間が過ぎてしまったという方が正確だ。日本選手の大活躍に眠れずに過ごしたアテネオリンピックが終わり、真夏の夜の夢から覚めた今、まるで宿題をやり残した小学生のように机に向かっている。

そんな訳で、今回は三題に分けて半年の思いを書いてみようと思う。

 平成16年9月17日
      タイ・カンボジア王国上院議長からの招待を受け両国へ出発の前日に

 

 

 

 

(1)長かった半年――第159 回通常国会と参議院選挙と

第159回通常国会は1月19日に召集され、150日間6月16日で閉会となった。今年は参議院選挙が想定され会期延長なしでの緊迫した国会運営であったが、議院運営委員会理事としてのはじめての通常国会でもあり連日国会内の調整に追われる日々となった。

思い返すだけで懐かしいとさえ思えてくるが、イラク復興支援のための自衛隊派遣承認案件に始まり、未納問題の噴出で私自身も多方面にご迷惑をかけた年金改革、道路公団改革、国民保護法制など内閣提出法案120本、承認案件2件、条約21件、議員立法14本が成立。本会議にかかる案件すべてが採決の方法やら時期やら技術的な事も含めて議院運営委員会の管轄でありなかなか興味深い仕事だった。最終盤の2回の徹夜国会(年金改革法と金融安定2法)では、質問答弁の漏れがないかも議場内協議となるので息を抜けず、さすがに少々参った。それにしてもマスコミでは、個人的な質問が延々続いたとか、居眠りをしているとか、おもしろいところだけダイジェストで報道し、少々難解で真面目な質問などはカットされるから誤解が生まれる。実際の質問は与野党ともに本当に練り上げられたものも相当あったし、なにより一晩中の議会というのは(牛歩と言う方法論も含めた)「言論」というもののあり方を実に考えさせられるものである。

国会閉会後まもない6月24日に公示され7月11日投票が行われた参議院選挙では我が自民党が全国で大変な苦戦を強いられ、何よりも秋田選挙区で同志の斎藤議員の議席を失う結果となってしまった。まさに何にもましてこの結果に私は言葉を失っていた訳で、彼のいない国会に未だに慣れることが出来ないでいる。党内には負けをなかなか認めようとしない向きもあったようだが、私は思いもよらぬ形で直面した敗戦に、自民党も (私を含めた)各議員個々人も何かを忘れているのではないか、何かが欠けているのだと今も自問自答の日々だ。

こうして私の気持ちの晴れない夏の月日が過ぎていったのである。
 

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