この一週間ほど「予期せぬこと」「命」について思いを巡らせたことがあっただろうか。 土曜日の夕食時に起きた新潟県中越地震。その対応に追われ、総理官邸の危機対応オペレーションルームもフル稼働の最中に飛び込んできたイラクでの邦人拉致事件。
地震の被害は日を追う毎に深刻さを増し、避難所では迫り来る冬に向けて、多くの人々が人生の予定になかったはずの不安な日々を余儀なくされている。 2歳の坊やが92時間も一人で土砂の中にいたことを思うと、テレビで見ても新聞で読んでも、また一人になって考える時も涙が出る。「よく生きていてくれた…」と思うと同時に、これからの長い人生に彼が直面するであろう数々の試練を思い、「どうか頑張って生き抜いて欲しい…」と逆に奮い立たされる。 自分探しの旅の末、24歳の若さゆえの余りにも無防備な冒険が生んだ悲劇。そう言ってしまうのはたやすいが、彼にも彼の考えがあったろう。危険を忠告されてはいたものの自分の身に降りかかろうとは想像が及ばなかったかもしれない。イラクで拘束され、「日本に帰りたい…」とつぶやく姿に若さを見た。 繰り返し渡航自粛を説く以外に日本国は今、邦人を救う術を十全に持たないことを分かった上で誤解を恐れずに言うが、一人異郷で最期を迎えてしまった彼はどれだけ怖かったことだろう。 ふるさとと家族をどれだけ思って死んでいったことだろう。彼の命もまた重かった。 子を残して亡くなった母と、子に先立たれ残された母、予期せぬ人生に胸がつぶれる。そして、命を長らえながらもまた予期せぬ日々を暮している被災者の皆様に復興の道筋を一日も早く示す政治の責任を痛感している。 2004年11月2日
|
※このホームページに掲載の記事、写真などの無断転載を禁じます。全ての
著作権は金田勝年及び金田勝年事務所に属します。
《東京事務所》03-3508-7053 |
国会で成立した法律についての資料等必要であれば、お気軽にご連絡ください |
Copyright (c)2000-2001 金田勝年事務所.
All right reserved.