かつとしコラム

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◆10年目の冬

 月日の経つのは早いもので、平成7年に参議院議員に当選させていただいてから今年で10回目の冬を迎える。参議院は任期が6年で選挙も2度しか戦っていないためか、まだまだ新人・若手という気分でいるのだが、新聞の発言記事などで、知らぬうちに(中堅参院議員)などというカッコ書きがついていて驚くときがある。

 冬の支度を始める頃、永田町は税制改正・予算編成を前に全国から集まる市町村長・議会の方々・団体の方々でにわかに慌ただしくなる。当選一年目は目が回ってしまって予定通りに日程をこなせなかったり、相手に不快な思いをさせて自己嫌悪に陥ったり、事務所が書類でいっぱいになってしまってどうして良いかわからなくなったものだ。

 いつの頃からか、この季節を待つようになった。地元でいろいろな場面でお会いしているのだが、例年の顔合わせは胸がきゅ〜んとなるような、安心して何かを確認し合うようなところがあって、この時期が終わると無事年越しを迎える実感がわいてくるものだ。

 10回目の今年、町村長さんばかり30数名が集まったある会合に出て挨拶に立って言葉に詰まってしまった。我ながらおかしいと思ったが、涙が出そうになってしまった。
「皆さんのお顔を見て何と言ってよいか分からなくなってしまいました…」 三位一体の議論で地方分権を集中的に考えたあとでもあり、合併を控えて秋田県の市町村地図も大幅に変わろうとしてしている時期でもあり、お一人お一人の顔を見るといろいろ思い出して胸がいっぱいになったのだ。

 合併して大きな市になっても、一つ一つの地域の思い出や良さを守っていきたい。広域行政にあって、地区ごとの違いや特色を守ることと融和をはかることは表裏一体のものだと、つくづく考えている。

2004年12月5日
臨時国会が閉会しいよいよカレンダーも残り少なくなって…

 

 



 

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