高度成長期に大蔵省主計局に勤めていた私は、予算が有り余るほどあって、各省庁や県庁の方々がいろんな情報を集め、予算獲得に走り回り、霞ヶ関の交差点を袖から振り落としそうになりながら新規事業なり予算なりをとって帰る姿を目の当たりにしてきた。
そんな私が丁度、国会議員になった頃、日本は長期不況にさいなまれ財政状況の悪化・金融不安などから厳しい予算査定ばかりが続くようになる。加えて、公務員倫理法などもでき、政と官と
民のあり方も大きく変わった。 私の地元秋田県などは、これまで様々な事業で順番待ちをしてきた方だ。諸先輩のご努力の賜で道路などのインフラ整備も随分恵まれてはきたが、“後はもう黙っていてもいいよ”というほどの状況ではない。人口の減少、自殺者数は全国一。失業率、倒産数も改善の兆しを見せる全国の数値とかけ離れ、まだまだ高止まりだ。 「予算」がないなら「情報」や「イメージ」を大事に知恵を出さねばならない。景気は「気」からという言い古された言葉があるが、民の「気」を盛り上げるのが「官」や「政」だと思う。古いだろうか。 「情報」は決して黙っていて届くものではない。貪欲に取りにいくものだ。 良い意味でのプライドと「前へ前へ」の気持ちを持ち続ける・・・私がたった一人で秋田から夜行寝台で上京して予備校に入った時から、今までの30年 余で心にしみついたことだ。 2005年3月11日
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