いつだったか、谷垣財務大臣から「自分(谷垣大臣)も経験者だが、議院運営委員会筆頭理事の仕事は、議会人として重要なステップである」と教えられたことがある。谷垣大臣は議運委員長も歴任されたれっきとした議運族(?)である。世間一般には地味な役回りで、説明に苦慮していたところでもあり、「議会人」という言葉の響きに新鮮な感動を覚えたものだ。 議院運営のさまざまな交渉ごととは別に、議長の諮問機関でもあるから議長が外国の賓客を参議院にお迎えするとき、陪席させて頂く事も多い。昨年IPU(列国議会同盟)の パエス議長(チリ共和国上院議員)をお迎えしたとき、私はぶっつけ本番で資料を読み込むと、IPUには米国が分担金滞納のため加盟資格停止になっているという驚くべき事実に突き当たり、その場で我慢できなくなって「なぜ米国に復帰するよう働きかけないのか、またなぜ働きかけが成功していないのか」と質問をしてしまった。外交儀礼上予定されない議論あるいは質問はよろしくないのかもしれないが、パエス議長は喜んで時間をさいてくれたし、わが扇参議院議長も寛容に理解してくれている(と思う)。 やみつきになったわけではないが、先日タイ王国のスチョン上院議長ご一行が見えたときは、昨年九月に私たちが訪タイしたときからのご縁でもあり、与党圧勝で終わった同国の下院議員選挙と日本とは全く違う二院制のあり方について、率直に意見交換した。このときは議長主催の晩餐会でもゆっくり時間がとれたので大変有意義な「議会人」の交流ができたと満足だった。 儀礼的に美しくにこやかに時を過ごすのも大切だろう。でも私のような、「語らなくては気が済まない人」がいても、別の意味で印象に残る日本での一時をプレゼントできると思う。お互い、議会人としての使命を確かめるとても重要なひとときを。 2005年3月18日
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