かつとしコラム

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◆インクのぬくもり

 春の甲子園が始まり、予算が通った。秋田県内では3月22日合併により6つの市が誕生した。そして、東京で桜がぽろりぽろりと咲き始めた。もう3月も終わりだ。

 今月このコラムを割りにまじめに書いている。啓蟄で、土の中から筆の虫が顔を出したわけでは決してない。そもそも筆無精な私に筆の虫は宿っていない。またぱったり書かなくなるのがおちだ。

 「当町の積雪ただ今147p、2〜3日前には170pでしたから確実に春は近づいております」
 3月のはじめに、筆まめなある町長さんから届いたハガキだ。濃いブルーの万年筆のインクが映える、6行ほどの短信。確実に近づく春を実感するとともに、豪雪地帯の役場で筆を走らせてくれている姿を想像し温かかった。

 郵政改革がいよいよ佳境に入った。そもそも論から機能・組織形態・システムの問題まで「これまでの議論と政府の見解」という一覧表が数ページにもわたる。

 私は地元を回るから「これで行き止まり」という山奥にもよく行く。朝、そこから帰る途中、赤い郵便マークのライトバンとすれ違って、ここから先一軒だよ・・・ どんな手紙だろう・・・と想像したことがある。

 しかし、それでもなおそこに人が住んでいるから日本の国土が成り立っているわけだ。霞ヶ関や永田町ばかりを行き来している人にわかるだろうか。
父が水力発電所長だった私は、もちろん水源近くの山奥に住んでいたから、そこの住人が山を守り、水を守っていることを身をもって知っている(つもりだ)。

 メールは瞬時に外国まで届くようになった。でも、件のハガキのようにインクのぬくもりを伝えることはできない。

2005年3月29日
    3月は今年も去っていく・・・

 

 



 

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