９月一杯で議員会館地下の売店の一つが店を閉じた。春には写真屋さんが閉店して大好きなおばさんがいなくなった後だっただけにさらに寂しい。議員会館には衣料品・薬局・クリーニング・印刷・お土産などちょっとした生活ができるぐらいの店が入っている。商店街のような コミュニティーのような感じだ。

　私は大蔵省時代もそうだったが、背広も英国屋などの高級店よりも地下の売店で作る方が好きだし、売店のおばさんやおじさんと雑談をして仕事の気晴らしをすることが多く、冗談ばかり言いながらなんとなく朝夕気分を和ませてもらっていたから、大蔵省が財務省になった頃、売店がコンビニに変わったときは何とも言えず悲しかった。

　実は東京でも秋田でも家に帰る前には必ず行きつけの（！）コンビニに寄る私としてはコンビニが悪いとは決して言えないのだが、昔ながらの商店街的な感覚が少なくなることが辛いと言っているのだ。

　冒頭の閉店した店のおじさんは、平成１３年の私の２度目の選挙の前、エレベーターのところにいた私を追いかけてきてくれて、当選祈願のお守りを下さった。 私はそれを今でも宝物にしている。誰でも選挙は不安なものだ。黙って祈ってくださる気持ちは本当に有難かった。

　新しい立派な議員会館が建設される予定だけれど、ニッポンの中枢であるからこそ、ニッポンの良き風習やあったかい人情の残るビルであって欲しい。
だって議員たちは皆、ふる里から出てきているのだから。