かつとしコラム

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◆「公平が統治の基本」

 12月8日の閣議で自衛隊のイラク派遣延長が決定された。
それに先立ち、11月23日にはイラク移行政府のズイーバーリー外務大臣、12月5日にはジャーファーリー首相が来日。私も外務副大臣として対外相では夕食会を主催し、対首相では小泉総理との会談に同席、官邸での総理主催の夕食会にも同席した。

 副大臣就任後初の出張となったバーレーンでの国際会議でズイーバーリー外相とお会いし一連の来日日程につながっただけに、私自身の思い入れも強く、日本の国としての大きな責任と判断を導く公務であり、そしてイラクの国にとっては正に一からの国づくりの最中であることを知った、本当に心に残る仕事であった。

 会談や食事の進む中、話題はやはり治安問題・女性の社会進出の問題など多岐に亘り、時間の経つのも忘れるほどであった。そして何よりフセイン政権時代、20数年の長きにわたりイランや英国で亡命生活を余儀なくされたというジャーファーリー首相の、全身からあふれ出る力に心打たれて、私は 思わず「『座右の銘』は何ですか」と聞いてしまった。

『座右の銘』のアラビア語訳にしばし時間を要したものの、即座の返答は私をさらに感激させた。

「公平が統治の基本」

女医として活動する夫人とともに、人生をかけた言葉に思える。

もし、私の座右の銘を聞き返されたら、「公的なるものへの献身」という、幼き日に父から教わった言葉を答えただろう。

2005年12月12日
国を守るということ、国をつくるということの危険と重みに身震いして

 

 

 



 

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