かつとしコラム

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◆正月の出来事

  旧暦正月を過ぎ、厳しい寒波に見舞われた1月が終わろうとしている。
秋田市の自宅で正月を例年のように過ごそうとしていたところ、観測史上初の大雪で様々な行事にも支障がでた。市場の初競りに出かけるべく張り切って自宅を出た朝5時、私を迎えてくれるはずの秘書の車が雪にはまって動けなくなった。私は自分で少々雪かきをして大通りまで出て、別の秘書の車に乗った。消防出初式も屋内だけの行事となった。雪国の苦労を秋田市内でこれほど感じることは稀だ。仕事始めの後は、もちろん雪害対策について国の関係省庁と連絡を取り合うため、これも例年にない忙しさとなっている。近くに来ているはずの春をこんなに待つのは子供のとき以来だ。

 今年は、外務副大臣として新年を迎えた。5日の外務省新年賀詞交歓会に地元日程のため出席できなくて悪いなーーと考えていたのが甘かった。私の携帯電話がけたたましく鳴って、「アラブ首長国連邦の首相が亡くなりました。ついては明日関西空港発の飛行機で弔問に行っていただきたい」 ・・・はぁ?!?!?!・・・ 大切な友人知人が亡くなったとき私は出来る限り弔意の電話をするか自宅に伺うようにしている。
よくよく考えたらアラブ首長国連邦は日本が石油総輸入量の4分の1を依存する大事な友好国、言ってみれば「大切な友人」だ。そこまで冷静に考えがつくまで、若干の時間を要したのはやはり新米副大臣だからかもしれない。

 有難かったのは、地元の日程を大幅に変更せざるを得なかったのだが、関係者が事の重要性と副大臣としての職責に十分な理解を示してくれたことだ。昔は、外交の仕事は票にならないとか、地元の選挙民に受けないとか散々言われたものだが、もはや時代は変わり、秋田における意識の国際化は驚くほど進んでいる。

 ただ、ドバイから世界中の飛行機の便を調べて香港経由で帰国し、翌日の成人式に出席したところ、「外交の仕事をやっているのを皆知っているのだから無理しなくていいのに・・・」みたいなことを言う人が(もちろん新成人ではなく)いたらしい。それを人づてに聞いてちょっとだけがっかりしてしまった。無理して出ているのではない。新しく社会に出る新成人とひと時を共にできる貴重な機会である成人式は、私自身にとって社会の一構成員として 生きる意味を考える大事な行事なのだ。
外交をやっていても、地元に帰ったっていいと思う。

2006年1月30日
ここにも寒波がきているらしいロンドンへの機上にて


 

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