かつとしコラム

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◆「入省式」
 
 背中にぽかぽかと陽光が差し、それなのに強風ではらはらと桜が散る、霞がかった青空に日の丸が映え、自転車に乗ったお巡りさんが通っていく・・・ 今朝、宿舎から参議院議長公邸の前を通って外務省に向うときの光景だ。美しいニッポンの春だ。

 日本全国でどれほどたくさんの若人が新しい門出を迎えたことだろう。外務省でも、本日入省式が行われ127名の新しい仲間を迎えた。

麻生外務大臣が、朝9時から衆議院行政改革特別委員会に出席しなくてはならず、代わって挨拶の任に当たった。新入省員には"副大臣で悪いなぁ〜"と少々気が引けたが、公務員出身の私なりに思いを込めて原稿を練った。

 皆の引き締まった顔から、私自身の山も谷もあった30余年の社会人生活を顧みる機会となり、喜びも悲しみもある今現在の私自身にもまた、勇気をもらった気がしている。誠に良い朝だった。

 2006年4月3日初旬
 
     


◇ 入省式挨拶全文 ◇  ※ 私がこだわった部分=朱色=

 私は外務副大臣の金田勝年です。

 本日、ここに127名の新しい外務省員を迎え、心から歓迎をします。本日の皆様の門出に際し、この時間国会で仕事をしております麻生外務大臣に代わりまして、一言お祝いの言葉を申し上げます。

 皆さんは、大変チャレンジングな時代に外務省に入ってこられたと思います。それは世界が多様で困難な問題に直面している中で、まさに今こそ外務省が外交のプロとして問題の解決に取組み、日本の国益をしっかりと守っていかなけれならないからであります。

 私自身、外務副大臣として日本外交の舵取り役を仰せつかって今日で153日目になりますが、この間、世界中の様々な国のリーダーの方々と話し合い、また国内の関係者との調整を行い、山積する様々な課題に取り組んできました。

 個々に例を挙げるまでもありませんが、日米同盟の強化、中国、韓国、北朝鮮、ロシアなどの近隣諸国・地域との関係の発展、国連改革、WTOの下での多角的な貿易体制の構築、関係国との経済連携強化、中東、アフリカの平和の定着など、外務省が取り組むべき外交課題は山積しております。

 その一方で、外交を進める上で忘れてはならないのは、外交と内政は不可分一体であるということです。私自身、大蔵省という役所で21年、その後、参議院議員として11年、国政に関わってきました。国内の事情を知らずして、外交を行うことはできないということを、実体験から申し上げることができます。

 また、皆さんの中にはワイングラス片手にパーティーに出ることが外務省の仕事だと思っているかも知れません。しかし、実際には時に地べたを這いつくばって情報を集め、関係者を説得するといった、地味で地道な努力の上に外交は成り立っているということも、この際一言申し上げておかなければなりません。

 本日、皆さんは外務公務員として第一歩を踏み出されました。わが外務省は、
約5400人の職員が本省と世界中にある189の在外公館に散らばって、24時間いつでも多様で幅広い業務に従事しております。

 外務省の省員一人ひとりの責任が、如何に重いかは容易に想像いただけると思います。その責任を自覚しつつ、それぞれの持ち場で、いま自分に何が期待されているかを常に念頭に置き、国民の信頼と期待に応えられるよう、全力で職務に当たることを期待いたします。

 私の好きな言葉に、「公的なるものへの献身」という言葉があります。初心を忘れず 持続する志として頑張っていただきたいと思います。

 そして、厳しい仕事であるだけに、何よりも皆さんが常に明るさと前向きさを失わず、ご健闘ご活躍されますことを祈って、私の挨拶とさせていただきます。

 

 

 

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