かつとしコラム

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◆ 会  期

 国会が急に終わりそうだ。というとおかしい。予定通り延長なく終わりそうだ。長年国対・議運の仕事をしてきて、「延長がない」というとほっとしそうなものだが、そうでもない。

 外務副大臣として答弁席に座ることになり、連日、関連委員会の質問答弁に追われた。厳密な正確性が求められるため、委員会当日の朝には答弁打合せもある。
私は、基本的に参議院だけだからそれほどでもないが、外交防衛関連で衆参14の委員会を抱える外務大臣の日程は、そばで聞いていても「ありえない!」と言いたくなる日が多かった。

 『7時台から答弁打合せをして、閣議、記者会見、衆議院の外務委員会と参議院の行革特別委員会、最後はまた衆議院の拉致特別委員会へ、』などと委員会室をはしごする大臣の心労たるや如何ほどだろう。その上、外国からの賓客が多いので夕刻から外相会談やワーキングディナーも入る・・・。気を抜く暇もなく、あまりにも過酷な日々だ。

 もちろん省内の事務方も連日夜遅くまで(朝早くまで?)答弁作成に貴重な時間を割かれ、気の毒なほどだ。子育て世代が皆、平日は霞ヶ関で食べたか食べないか 分からないほどの夕食をとっている。政府として少子化のかけ声が虚しい。

 そんなことをつらつら考えていたある日。某紙の権威あるコラムで「土日祝日を除けば通常国会は100日ちょっとで気楽な稼業」という表現を目にした。
「OH! MY GOD!!」である。
土日の公務も多く、公務がない日は地元に帰って有権者の声を聞く。
審議日数が少ないからこそ、1日にいくつもの委員会が開かれ、昼食は車の中でおにぎりだったり、ろくろく睡眠時間もない日々なのに。

 やはり「通年国会」にするべきだ。
たった一人しかいない大臣や総理を国会に貼り付けるより、副大臣・政務官で役割分担し、また専門家たる政府委員とも議論を活発化する。
質問は少なくとも前々日までに登録する。
登録されない質問には場合によっては即答しなくてもよいとか文書回答を許す。聞きかじりだが、英国にはそういう合理的ルールがあるそうだ。

 議員だって大臣だって、そして官僚だって朝ごはんはゆっくり食べ、夜は家庭に帰るべきだ。
もう成熟した大人の国なのだから。

2006年6月5日
「既に6月の夜の日程に空きがない」と秘書から聞いて愕然としつつ

 

  

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