立秋・・・東京では「名ばかり」という冠がつくのが常だが、秋田では竿燈まつりが終わって立秋を迎えると、朝晩本当に爽やかな風に秋を実感することになる。 今年も8月3日からの竿灯まつり、祭りといえば黙ってはいられない性分の私は、今年も半纏を身にまとい入場行進から参加した。「ピーーッ」と笛の音で一斉にお囃子がなり、次の「ピーーッ」で236本の竿燈が一斉にあがる様は何回みても勇壮だ。 「あーー夏だなーー。短い夏だ。」と空を仰ぐ。稲穂を形作り、豊作を祈るこの祭りは「米どころ秋田」をまさに象徴している。そして「地域の力」を体現している。 50キロもある大人の大若が勇壮で巧みな技を見せるそのすぐ隣で、大人と同じ格好ではちまきを締めた子供達が、小若や幼若をみんなで励まし合ってあげている。これがまた練習の成果でとても上手い。 保育園の竿燈もあがっており、こちらは本当に可愛らしい園児たちが父兄や保母さんだろうか保護者に囲まれて行進していく。 毎年、こうやって、大人から子供へ、また子供から子供へも受け継がれ伝えられていくのだろう。そしていつしか女の子は太鼓やお囃子を覚え、男の子は竿燈の技を身につけていくのだろう。 一人が重い竿燈をあげているときは、回りに輪になって「どっこいしょー、どっこいしょ」と声を掛け合う。手を出して助けることはほとんどないが、みんな真剣な表情で 、祈っているかのような目で、その一人を取り巻いている。そして、あるタイミングになると誰かがうまくその竿燈を引き継いであげ始める。 日々の生活のなかにも、直接何かしてあげられる事ではないけれどもみんなで励まし合うという、寛容と祈りにも似た助け合いの姿 や、ものごとを受け継いでいくという姿勢が自然に身に付くのではないだろうかと勝手に想像する。これこそが「地域の力」だ。 今年、秋田では悲しい子供の事件があり、私の心にも重いものがのしかかっている。こんな平和な夜を、全ての子供達に、そして大人達にも与えてあげてほしいと思ったのだった。
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