H17.12.08 副大臣会見記録 (17:36〜 於:本省会見室) | ||
◆ 金田副大臣の韓国出張/ボリビア共和国総選挙に対する選挙監視要員の派遣/イラク特措法による自衛隊派遣期間延長 (副大臣)まず始めに私から三点申し上げます。私は韓国から今日の昼に帰ったばかりでして、そのことに関して、次に南米ボリビアの総選挙に関して、それからもう一点は、先程総理の会見もありましたが、イラクの特措法基本計画延長の閣議決定の件であります。 一点目ですが、一昨日の夜から今朝まで韓国を訪問しました。一昨日の夜は「日韓友情年 2005」の記念事業、年間700件を上回る記念事業が行われてきました。文化・学術・スポーツ、幅広い分野で行われており、日本側は平山郁夫実行委員長、崔相龍(チェ・サンヨン)諮問委員長をはじめとするたくさんの方にこの事業に力を注いで頂いて参りました。そのフィナーレ事業の一つである日韓友情年記念コンサート、これが盛大に行われました。地元の主催者発表では7千人位の参加ということでしたが、日韓両国より若い世代を中心に多くの人々が参加し、両国民の心が一つになるということをフィナーレ事業の中で感じました。また昨晩、フィナーレ・レセプションに出席し、政府を代表して挨拶をさせて頂いた次第です。キャッチフレーズは「進もう未来へ、一緒に世界へ」ということでこの一年間700を上回る事業をやってきたわけです。また、その間、昨日は柳明桓(ユ・ミョンファン)外交通商部の第一次官と会談をしたり、ウリ党、ハンナラ党の国会議員と会談を行ってきました。日韓関係は最も重要な二国間関係の一つであり、政治的な困難はある、そういう側面があるとしても、友情年が終了後も両国民の交流を促進すべく努力していくことが、広くしっかりと厚みを持った持続的な基盤を強化していくことが非常に重要であるという点で意見の一致を見たわけです。更に、申し上げなければならないことは、大臣が昨日政策スピーチを発表されました。私からその内容について原文を柳外通部次官に渡し、かつ説明をして、潘基文(パン・ギムン)長官は、ヨーロッパから ASEANの会議へと続く出張でお会いできなかったのですが、柳次官に説明させて頂き、そして潘基文長官への伝言をよくお願いしたということです。第二点目は、南米ボリビアにおいて、 12月18日(日)に大統領選挙を含む総選挙が開催されます。今回の総選挙は、過去2年余り不安定な状況が続いてきたボリビアにおいて、現政権の任期終了前に繰り上げ実施されることとなったものであり、同国における今後の政局を左右する重要な選挙であると考えています。このような事情に鑑み、わが国は、今回の総選挙の公正かつ平穏な実施を支援するために、米州機構(OAS)による選挙監視団の一員として、選挙監視要員2名、有識者として学者を1名、及び在ボリビア大使館員1名の計2名ををボリビアに派遣することを決定しました。わが国としては、総選挙後のボリビア情勢を注視していくとともに、同国官民による民主主義の強化および政治的安定の実現に向けた努力を引き続き支援していくという方針です。第三番目の点は、先程の臨時閣議で決定されましたイラク特措法の基本計画の延長です。閣議に先立ちます安全保障会議には、私も外務大臣の代理ということで出席しました。そして総理も記者会見において述べておられましたが、私なりの理解を申し上げますと、基本計画の延長は四つの意味でわが国の国益にとって重要であると受け止めています。一つ目は、イラク人自身による新しい国造りは重要な局面を迎えている中で、各国と協力して支援を続けていくということは重要であるということです。今入ってきた情報ですがご紹介しますと、ジュマイリー・在京イラク大使から麻生外務大臣宛に、日本政府が基本計画延長を決めましたことにつきまして、イラク国民とイラク政府を代表して、心からの謝意を表明する旨のメッセージが伝えられています。また、ブレア首相からも小泉総理に、歓迎し感謝するというメッセージが来ているとのことです。ひとつはそういうイラク人自身による新しい国造りが重要な局面を迎えている中で各国と協力していく、日・イラク関係という点です。二つ目が、先程の続きですが、 11月に安保理が全会一致で多国籍軍の任期延長を決定している、常任理事国・非常任理事国15カ国全てが延長を決定している、全会一致であるという、国際社会との協力という点です。そして三つ目は、中東の大国イラクに民主的な政府を建設するということです。そして中東の安定ということが達成されますと、わが国にとっては非常に重要なことであるということで、中東地域全体の安定のためという点です。四つ目が、わが国の人的な国際平和協力の一環としてやはり重要であるという、この四つを、私なりの見解としましても、わが国の国益にとって重要ではないかと考えるわけです。以上の関連で、わが国は自衛隊による人的貢献と ODAによる協力により、イラクに対する人道復興支援に積極的に取り組んできています。今回自衛隊の派遣期間延長が決定されたことも踏まえ、外務省としてもODAによる支援を一層強力に実施してまいる考えです。イラクの中でもムサンナー県は特に失業問題及び電力問題が深刻な地域であります。雇用の創出、電力の供給が最優先の課題となっています。わが国はこれまでも直接に、あるいは国際機関を通じて、ODAによる雇用創出事業、電力関連事業を実施してまいりましたが、こうした分野での協力を継続し更に強化するため、今般、国連開発計画(UNDP)による「イラク復興雇用計画III」及び「ムサンナー県電力網強化計画」に対し、総額約15億4千万円の緊急無償資金協力を行うことを決定しました。「イラク復興雇用計画III」は約8億6千万円、「ムサンナー県電力網強化計画」は約6億8千万円ということになっています。◆金田副大臣の韓国出張 (問)韓国のユン第一次官に麻生さんのスピーチについて原稿をお渡ししたというお話ですが、それについて韓国側のユン次官からのお話というのはどういったことだったのでしょうか。 (副大臣)その点については、まずユン・ミョンファン外交通商部第一次官に対して、その内容について説明をしました。そしてその際に向こうからは、当然のことですが、よく読んで頂いて、そして長官によく、今ASEANの会合前ですから、伝えさせて頂きますという答えがありました。 (問)特にユン次官としてのお考えのようなものは示されなかったということでしょうか。つまり、ユン次官としての感想等は特になく、長官にお伝えするということだけだったということでしょうか。 (副大臣)その内容については非常に真剣に読んでおられました。そして、直接それに対してということではありませんが、ユン・ミョンファン第一次官とお会いして会談したとき、その内容をご覧になって、後での話で、それはお伝えしお見せするとなったのですが、その後にやはり、総理の靖国訪問に関連しまして、韓国人の心情にもっと配慮してもらいたいという要請はありました。これに対して私の方からは、総理が靖国に参拝される理由ですね、亡くなられた方への感謝と追悼、そして不戦の誓いですね、二度と起こさないという、そういうその参拝される理由について説明を申し上げ、そして、個別の問題が二国間関係全般に影響を及ぼすことのないように私からも要請してきました。日本と韓国というのは、自由と民主主義と市場経済という基本的な価値観を共有する両国ですから、この両国の関係というのは、非常に重要な二国間関係の一つであるということで、靖国の問題については私から説明申し上げ、二国間関係の全般に影響を及ぼすことにないように要請したということです。 (問)日韓友情年の最後にあたって訪問されたということですが、その最後が、シャトル外交がどうも滞りそうだと、日韓首脳のシャトル外交が向こうからちょっとちょっと来れないという風な難しい状況になっている、しかも今東アジア・サミットの首脳会談もなかなか厳しいという極めて皮肉な年末になっているのだと思うのですが、副大臣として率直なところ、今回韓国に行かれて、率直な感想をお聞きしたいのですが。 (副大臣)私は前に外交通商部の長官をやっていたチェ・ソンホンさんとも会ったんですね。いろいろな方とお話をして、二国間の関係というものを、政治面・経済面そして文化・社会、そういう面といろいろな面があるでしょうけれども、やはり最も重要な二国間関係の国であるのだという相互理解に至ることが必要なんです。まず今回は、日韓友情年というのは、文化面にも、文化・芸術・スポーツといったような文化面での、裾野の広い交流ですよね。言ってみれば市民交流ですから、そういうことには非常に皆さんも理解を示されておりまして、そして友情年の諮問委員会の関係者も本当に熱心に取り組んでそうやって評価されていますから、私もそういう裾野のしっかりしたものにしていくことによって、ますます未来に向けて本当に大切な両国の関係というものはより深まっていく、理解が深まっていくのではないかなと私は思っています。ただ、対話が重要であると,高いレベルでの対話といいますか、政治的な中でですね、そういうものが継続することがやはり必要だということは私も繰り返しこのユン・ミョンファン次官はじめ皆さんに言って歩いたものですから、そういう対話の継続、そしてそれを努力することをお願いしましたし、意見も言いましたので、それに対しては相手の方々もその重要性というのは理解されているのではないかなと私は思うのです。ただ、いろいろな事情などがあると思いますし、また、今ご指摘のASEAN+3とか東アジア・サミットでの状況は首脳同士の会談とかいろいろなものについてどういう状況だと問われれば、それについては現段階ではまだ決まっていないということをお答えするしかないと思っています。 (問)副大臣が対話が必要だということを繰り返し仰いましたが。 (副大臣)高いレベルでの対話。もちろん、文化交流面での対話は熱心に皆燃えていますから、そういう意味では、私は高いレベルでの対話の必要性は個別会談で言っています。 (問)それに対しての向こうの反応というかですね、向こう、今回のあれを見るとですね、韓国側は首脳会談に対してまだ難色を示している格好に見えるのですが、そういう副大臣の呼びかけに対する向こうの方向いうか対話はどのような手応えだったのですか。 (副大臣)そういう二国間関係の重要性はもう向こうもわかっていますし、ですから皆さん、その対話の必要性についてもよくわかっていると私は思ったのですが。ただ、例えば六者協議といいますか、そういう六者会合とかそういうのは議長国の立場とかあるでしょうし、また日中韓の協議でもこれは中国が議長になっています、そういう事情もあるでしょうし、それからまた二国間の関係でも、私の話は真剣に聞いておられましたから、それに対しては具体的にこういうケースでこういう答えが出てくるという感じではなく、それは受け止めていたと思うのですが。 ◆イラク特措法による自衛隊派遣期間延長 (問)イラクでブレア首相から小泉さんへのメッセージですが、内容をもうちょっと詳しく教えて頂きたいのと、どういう形で届いたメッセージなのでしょうか、FAXですか。どういうものなのでしょうか。 (副大臣)これは今、出掛けに、ここにつく直前に報告がありました。ですから、ブレア首相から小泉総理にも、歓迎し感謝するとのメッセージが来ましたということで受け取りましたので、もしわかっていれば事務方の方から後で。 |
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