外務副大臣ニュース

H18.6.22(木) 副大臣会見記録 (11:37〜 於:本省会見室)

金田副大臣定例記者会見要旨

◆北朝鮮のミサイル問題

(問)北朝鮮のミサイルの動きはその後どうでしょうか。

金田副大臣)北朝鮮のミサイルについては、今後とも事態の推移を注視していかなければいけないという状況は現時点で変わっていません。米国、韓国といったような関係国と緊密な連携をして対応していくというスタンスです。いずれにしても、関係国が連携をして北朝鮮に発射を自制させるということが重要であると考えています。

◆歳出削減に伴うODA削減

(問)自民党の歳出削減プロジェクトチームがODAを年2%から4%削減するという記事がありますが、これは外務省としてそういう方向で調整するのですか。

(金田副大臣)今、党の方で歳出改革ということで非常に熱心に進められている中での記事かと思います。私共に関係の深いODAですが、例えば2%から4%の削減をこれから5年間というような記事だったと思いますが、私共としては、一方で私共の国のスタンスとして総理からも5年間で2009年までにODAを100億ドル上乗せということを世界に公約しているという状況もあります。またその他にアフリカのODAについて、ここ3年で倍増させるということも公約しています。外交を考える上でODAというのは非常に重要な政策手段です。歳出改革は重要ですし、コストの削減、効率化ということはいずれの分野も図っていかなければいけない。従ってODAもその例外ではないということは事実ですけれども、世界に発するメッセージと矛盾しない形で、やはり日本の国は世界の国々のことを考えて一生懸命にやっているのだなという受けとめ方をしっかりして頂くという方向で、この点についても解決が図られるべきであると私共は思っています。

(問)4%だと事業量100億ドル増は無理だという試算をされていると思いますが、2%の場合はどうか。

(金田副大臣)私共はそういう計算につきましては、関係部局でどういう対応をしているかということについては、この段階で申し上げることが適切だとは思いませんが、申し上げることができることは、あらかじめ数年でマイナスの年次計画ということを世界にお話をするということと、様々な国々に対してODAの努力、上乗せを5年間でそれも期限があと3年くらいで来ると思いますが、100億ドル上乗せをするといったような公約と矛盾する形で、例えばこれから数年先のことが決まるということは国益にとってもプラスではないと考えています。

◆在外公館の経費

(問)同じ一般分野のいわゆるODAのことで、予算と関連してかどうかわかりませんが、在外公館の経費についても言及がありますが、これはどういう関連で出てきて、現状としてはどうなのでしょうか。

(金田副大臣)どういう経緯でその指摘が出てきたかということについては私が今ここで申し上げることは適切ではないと思いますが、在外公館についてはよく国民の皆様も御承知だと思います。今、非常に沢山の国が新しく出ていますし、例えばその国に日本の大使館が無くて、逆に日本に新しくできた国の在外公館が置かれているといったケースもあります。従ってコストの削減やあるいは経費の効率化というのは常に努めてきたところですし、これからも努めていかなければいけないと思っていますが、そういう在外公館の数で、例えばアフリカですとなかなか中国や米国に比べて日本の実態がどういう風になっているかということを考えた時に、やはり在外公館をきっちりと手当をして、少ない定員で頑張るということが求められているわけですが、やはり国と国の外交力というものの差になったりしないように、適切な配慮をしていくということも非常に重要な視点ではないかと思っています。つい先日、アフリカの外交団の団長であるチュニジアの大使もそういうアフリカの現状を非常に切々とお話され、私も聞いたばかりですので、その辺はそのように考えています。

◆中国の対アフリカ・東南アジア外交

(問)中国の首脳がアフリカの国を歴訪したり、アフリカや東南アジアとの外交を強化していると思うのですが、これについて日本としてどのようにお考えになられますか。

(金田副大臣)世界中の国々に外交課題は山積しています。そういう中で、中国に限らず色々な国が外交努力をしっかりとやっていくというのは当然のことだと思っています。また、私共は安保理の常任理事国入り等色々な課題を持って努力してきた経緯もあります。色々な意味で外交というものはこれから最も大切な、内政の分野と共に双璧だと、車の両輪だと思っています。従って他の国がどうであるかということも考えつつ対応していかなければいけないと思いますが、やはり外交の面に於いても外交力という意味で他の国々と立派に対等にあるいはそれ以上に頑張っていけるような、そういう日本の外交力というものを皆さんと共に一緒に考えていかなければいけないと思っています。 (了)
 

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