H18.8.24(木) 副大臣会見記録 (11:32〜 於:本省会見室)
◆金田副大臣のウィーン・モスクワ・ストックホルム・ウラジオストク訪問
(金田副大臣)冒頭、私自身のウィーン、モスクワ、ストックホルム及びウラジオストクの訪問について説明をさせて頂きます。 ◆北方四島周辺水域における日本漁船の銃撃・拿捕事件(問)モスクワですが、漁船の拿捕の関連ではどなたと意見交換をする見通しなのでしょうか。 (金田副大臣)現在、その点については調整中です。 (問)外務省の関係者ですか。 (金田副大臣)私も外務副大臣ですから、そういう関係者も対象として調整中です。 (問)会談ではどのようなことを言われるのですか。然るべきということですが。 (金田副大臣)私どもとしては、拘束されている3名並びに船体の一刻も早い解放を実現するべく、引き続きロシア側に対して強く働きかけていきたいと考えていますので、そういった方向で働きかけを行っていきたいと考えています。 (問)船長を含む3名の解放についての動きなのですが、色々な情報が錯綜している段階ですが、ロシア政府側から正式に日本政府に対して、いつ、もしくはどういう状況で、3名ないしは2名、何名でも構わないのですが、解放されるという話は、現時点では入ってきていないのですか。 (金田副大臣)情報が錯綜しているという話ですが、現時点においては、拘束されている乗組員3名の具体的な解放時期あるいは場所、そして解放の仕方といった点については、ロシア側から正式な通報は受けていません。そういう状況です。 (問)正式なということは、非公式には。 (金田副大臣)以前、私どもで、山中政務官が19日の記者会見において申し上げましたが、ロシア側から船長以外の乗組員2名についてのニュアンスといいますか、そういうものが感じられたといったようなことを申し上げた点はありますが、その後、ロシア側から正式な通報を現時点で受けているということではありません。 (問)原潜解体の件に関して、日本側からはどのようなことを申し入れ、意見交換をするのですか。 (金田副大臣)先程も言いましたが、我が国は核軍縮・不拡散、そしてまた日本海の環境保護という観点からも、退役原子力潜水艦の解体支援を行ってきているわけです。その問題意識というのは、約20隻の原潜が未処理のまま繋留されて、そしてもしそのまま放置された場合には、やはり放射能汚染とか核物質の危険性があるということに鑑みれば、やはり安全かつ迅速な解体というものが、日本海の環境保護という観点からも、我が国にとっても非常に重要な課題であるということです。また、ご承知だと思いますが、サミットでもG8グローバルパートナーシップの一環としてそう位置づけられてきたという経緯がありますので、こういった観点から、我々としては引き続き解体支援を着実に行って行くわけですが、その実態を、向こうとの話し合いを通じて確認をしたいと思っています。 (問)それは、ロシア側の解体作業が思ったより進んでいないので早くやれと促す目的で行くのですか。 (金田副大臣)そこも含めて、モスクワあるいはウラジオストクでの状況をよくこちらからもお聞きしたい。色々と向こうの説明もおありだろうと思います。いずれにしても、こういう課題を、引き続き、モスクワでは連邦原子力局の高官と協議を行う、そして現場も見るということです。 (問)29日にウィーンに行かれてエルバラダイ事務局長とお会いすると思うのですが、そこで日本側としてはどのようなことを、情報交換とのことですが、どのようなことを言うつもりなのでしょうか。 (金田副大臣)エルバラダイ事務局長と会い、8月31日にエルバラダイ事務局長がIAEA並びに安保理に対して報告を行いますので、そういう前の段階ですから、いずれにしても、イランの核問題についての我が国のスタンスというものを話していく、そのスタンスというのは、包括的提案をイランが受け入れ、すべての濃縮関連再処理活動の停止といった国連安保理決議1696号の要求事項を遵守していくことが必要だと考えていますし、国際社会と共にそのための外交努力を継続しているのだという状況で、イランを巡る情勢認識といったものを話し合おうと思っています。 (問)日本から見ると、石油全体の13〜14%を占めていますよね。ですから、経済的な部分から何か言われるというのはあるのでしょうか。 (金田副大臣)いずれにしても、国際社会と共に行っている努力というのは、我々にとっては、濃縮関連の再処理活動の停止を遵守してもらうということですから、我々としてはそのことを話していくということです。 (問)モスクワに行かれるのは何日ですか。 (金田副大臣)30日です。 (問)モスクワにも一日だけですか。 (金田副大臣)スウェーデンでレバノンの支援国会議がありますので、そちらに出席しますが、一日だと思います。 (問)レバノンの会議では我が国の支援策を協議されるということですが、具体的にどういった考え方ですか。 (金田副大臣)レバノンの安定は地域の安定に不可欠だという考え方が私共の認識です。従って出来る限りの貢献を行っていきたいと考えていますが、御承知のように8月8日に当面の緊急人道支援として食料、医薬品、シェルター供給のための200万ドルの支援を決定しています。それを実施に今移しているところですが、現在その支援の実施状況を踏まえながら、人道支援を含めて更なる支援について検討を行っていくという状況です。その状況を会議においては日本の立場としてお話することになると思います。 (問)イランの問題ですが、包括的提案の回答の中身について、外交ルートを通じて入ってきているのでしょうか。 (金田副大臣)それについては、包括的提案に対するイラン側の回答というのはEU3+3以外には非公表ということになっています。従って私の方からコメントするというのは差し控えなければいけないわけです。先程も申し上げました通り、我が国のスタンスは国連安保理決議1696号に従って濃縮関連・再処理活動を停止して、交渉のテーブルに戻るということを引き続き強く希望するというスタンスです。 (了)
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