菅総理退陣・野田新総理就任にあたり
昨年6月の菅政権発足から1年3か月、ついに菅総理は辞任し、新しい民主党代表・総理大臣に野田佳彦氏が選出され、歴史的な政権交代から僅か2年で3人目の総理に代わる事態となりました。
一昨年の総選挙の時民主党は、無駄の削減で政策の財源をいくらでも捻出できると言いながら、財源は見出せず全く実現できませんでした。菅前総理だけでなく、鳩山元総理も含め、民主党政権そのものが、言葉や公約とその実現に責任を持たない政権だと言わざるをえません。
かつて、自民党が総選挙以降3人目の総理を選ぼうとしたことを、民主党は「民意(選挙)の選択を経ていない」と批判しておきながら、自ら3人目の代表・総理を民意を経ずして選んだことは言行不一致です。
財源が確保できず国民に約束した政策が、ことごとく行き詰まり実現できなかった以上、民主党政権の正当性はありません。野田新総理は、しっかりとそのことを総括・反省し国民に謝罪した上で、解散して民意を問うべきです。
私は予算委員会でも指摘しましたが、民主党政権は、国民受けの良い心地良いことは強調するが耳障りなことは先送りし、責任を他に押し付け自ら責任を取ろうとしません。思い付きや場当たり的なその場しのぎの政権運営が続くのは、民主党内にしっかりとした意思決定プロセスがなく、最終的に集約する意思決定機関もないからです。
新内閣の閣僚を見ても、これまでの実績や経験が乏しく手腕は未知数であり、グループ(いわゆる派閥)のバランス、代表選の論功行賞で選ばれた人も多く見受けられます。就任後早速。「素人だから・・・」などと発言する大臣もいたようですが、そのような心構えでは、東日本の復興や原発事故の収束をはじめ、円高への対応や雇用問題など、この難問山積の今、それぞれの閣僚がリーダーシップを発揮して官僚を使いこなしていくことは難しいでしょう。
野田政権は「3度目の正直」にはなりえません。「2度あることは3度ある」、そもそも民主党には政党の根源たる綱領がなく、財源の裏付けのない公約(マニフェスト)はすでに破たんし、前原氏を政調会長に据えたところで、政策決定システムがはっきりしていないという、政権政党以前に責任政党たりえない状況にあるのが民主党です。
来る臨時国会では、本格的な復旧復興予算である第3次補正予算を、速やかに成立させるのはもちろんですが、民主党政権が続く限り、国政の停滞と混乱から抜け出すことは出来ません。国と地域の課題解決のために、決められない政治、進まない政治からの脱却を目指し、私の与えられた立場でしっかりと追及していきたいと思います。
2011年 9月 3日