H17.1.18 秋田さきがけ新報より | ||
「確かに分かりづらいだろう。ただ、政治家であり議会人であるからには、政策立案と政策実現の両方の能力が求められると思う。政策実現のため奔走するのが議運や国対(国会対策委員会)の仕事だ。政策づくりは官僚時代から行ってきており、今度は政策実現の場で汗をかくのが重要と認識している。」 法律の中身の告知を ―具体的にどんな仕事なのか。 「議運は議事の進行など参院の運営に関するあらゆる事項を担当している。一番大切なのは、内閣や国会で法律案を成立させることだ。ちなみに昨年は150日間の通常国会、53日間の秋の臨時国会で合計167本の法案を通した。自民党内や与党内、さらに与野党間の調整を経て法案が上がってくるが、それでも重要法案は委員会へすぐに付託するのではなく、本会議で議論するなど慎重な審議が必要。国会手続きの司令塔として、いろいろな人の話を良く聞き、可能な限り対立を避けることが大切。調整能力が求められる仕事だ。」 ―毎年多くの法律が成立しているが、国民にあまり知られていない。 「確かに重要な法律以外はなかなか話題にならないだろう。国民の生活にかかわる法律も多く、議運というよりは国会としてもっと成立した法律の中身を告知する方策を考えるべきだ。『分かりやすい政治』を実現する上でも、国会として見逃している面ではないか」 ―国も地方も効率化重視の時代だが。 「小さな政府か、大きな政府かという二者択一的な議論はどうかと思う。どちらでもなく、私は『中間に真理あり』と強調したい。今、規制緩和や行革が実施されているが、例えば米国は国民皆保険ではなく、お金がなければ医者にも診てもらえない。小さな政府の典型だが、日本がこうなってはいけないと思う。これまで培ってきた伝統を重んじながら、日本ならではの手法があるはずだ。今、それを見出すために政策万般にわたり見直しが行われている段階だ。」 地方出身議員に責任 ―国のあるべき姿をどう描くか。 「小泉政権は、往々にして大都市、大企業偏重とみられがちで、われわれ地方出身議員の責任が重大だ。日本には大都市対地方、大企業対中小企業、製造業対非製造業、生産者対消費者、高齢者と働き手や若年層、さらに政と官と民など、各界各層に政策的な対立構造がある。対立したままはでなく、それぞれが互いを認め合う共同体に日本が ならなければならない。ガツガツとしない『成熟社会』『大人社会』とでも言えようか。」 ―高齢社会をどうみるか。 「70歳代でも地域や国を支えるという社会をつくるべきだ。お年寄りの智恵や力はまさに成熟したものがあり、それを生かさなければならない。一方で若者の負担を増やさなくても済むことになる。 |
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