今回の衆院選で秋田2区に出馬し、小選挙区で敗れたものの東北比例区で当選した金田勝年氏。県内で唯一の自民党衆議院議員として、今後どう活動するのかを聞いた。
――衆院選での自民党の逆風について。
「前回の参院選に出馬した時から自民党への逆風が強いことは感じていた。実際、台風並みの逆風だった。原因ついては自民党への不信が大きい」。
――これから国政で力を入れたいこと。
「1つは地方、故郷を守るということ。2つ目は農村を守るということ。さらに不景気が続いているが、しっかり雇用を創出すること。今、競争社会が行き過ぎて地域社会の良さが失われている。地方の歴史や文化などの特色を大切にして、活力があり、安心できる地方にしていきたい」。
――今まで国政で力をいれてきたこと。国政で学んだこと。
「秋田県内旧69市町村の様々な要望を実現するため頑張ってきた。また、秋田と国政のパイプ役として努めてきた。国政で学んだことは『政治は現実である』ということ。だからベストは無理であってもよりベターな解決策をめざしてきた。そして様々な課題を具体的に前に進めるためには人脈や経験が必要だ」。
――党内ではどの派閥に属するか。
「額賀派というより平成研に属しているが、今はどの派閥に入っているかということよりも、解党的に党を改革し再生していかねばならない時だ。そういうことから、現在党再生会議のメンバーとして、党の建て直しのため検討を重ねている。この党再生会議には、衆院1期当選組から私が代表して1名入った。これは参院2期の経験があるため」。
――与党から野党になるが。
「2大政党制という観点からからしても、自民党はしっかりしなければならない。野党になったからといっても人脈はしっかりできており、地元の課題の解決には問題ない」。
――政治家としてのモットー。
「政治家の姿勢が大事だと思う。モットーは誠実に頑張ること。そして、政治の中で人の道を歩くこと。だから政治家だからといって人を騙したりすることは決してしたくないし、しない。素朴で要領が悪いところも確かにあるかもしれないが、愚直にブレないで国政に携ってきた。だから知事への転身の話も受けなかったし、国政のパイプ役としてずっと努力してきた」。
――尊敬する政治家。
「竹下登氏と渡辺美智雄氏。2人とも私がこの道に入るきっかけになった人。私は、大蔵主計官だった44歳の時に、21年勤めたそれまでの公的な仕事を辞め、故郷再生のために政治家をめざすことにしたが、その時『金田君は遅れてきた優良在庫だ』と励ましてくれたのが竹下氏だった。渡辺氏はそのもっと以前から『政治家になった方がいい』と声をかけてくれた」。
――どういう秋田にしたいか。
「夢のある元気のある秋田にしたい。また義理人情に厚く、心の温かさを大切にする秋田を残していきたい」。
――秋田1区や3区の今後の自民党の動きについて。
「衆院選は残念な結果に終わったが、秋田では今後県議、市議、支部と連携しながら立て直しを図っていきたい。また、自民党全体を見た場合、今までいっしょに活動してきた同志たちが、前回の参院選と今回の衆院選で次々と敗れ、仲間で残ったのは私1人となった。党の再生に向け、同志たちの意見を伝えていくのは私の使命だと思う。自民党の底力はまだまだある。まずは党の中から立て直したい」。
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